蒸気機関車 wikipedia|無料辞書
蒸気機関車(じょうききかんしゃ)とは、
蒸気機関によって動く
機関車のことである。日本では Steam Locomotive の頭文字をとって
SL(エスエル)とも呼ばれる。
蒸気機関車、または蒸気機関車が牽引する列車のことを
汽車とも言う。ただし、地域や世代によっては、電気で動く物も含めて全ての列車のことを「汽車」と呼んだり、
国鉄・
JRを「汽車」、
路面電車や
私鉄を「
電車」と呼んで区別したりする場合がある(このような「汽車」の用法については「
汽車」を参照のこと)。また、
明治時代には
蒸気船に対して陸の上を蒸気機関で走ることから、「陸蒸気」(おかじょうき)とも呼んでいた。
◆ 蒸気機関車の分類
◇ 駆動方式による分類
:蒸気の圧力を
シリンダーに導きピストンを作動させることで往復運動に変換し、その往復運動で動輪を駆動する方式で、広く普及した。
:蒸気の圧力を
蒸気タービンに導き、
回転運動に直接変換する方式である。タービンで発生した回転運動はギアやロッドにより間接的に動輪に伝達される。
:車上の
ボイラーで発生させた蒸気を、蒸気タービンや多気筒式蒸気エンジンに導き電力を発生させ、電気モーターにより駆動する方式である。
アメリカなどに存在したが、試作段階にとどまった。一見するとディーゼル機関車のようで、とうてい蒸気機関車には見えないものが存在する。
◇ 動力伝達方式での分類
;ロッド式
: ピストンの往復運動をロッドで直接的に動輪に伝達する方式。シリンダーとメインロッドと動輪そのものが
レシプロエンジンを構成するが、通常はレシプロと言う用語を用いない。ほとんどの蒸気機関車がこの方式を採用している。
;歯車式
: ピストンの往復運動を回転運動に変換し、その回転運動を
歯車により間接的に動輪に伝達する方式、もしくはピストンの往復運動を
クランクシャフトで回転運動に変え、シャフトとギアで
動輪に伝達する方式。詳しくは
ギアードロコの項を参照。
;チェーン式
: ピストンの往復運動を回転運動に変換し、その回転運動を
チェーンにより間接的に動輪に伝達する方式。
自転車と似た原理である。ロッドを動輪に接続する必要が無いため構造が簡便であるが、信頼性やチェーンの耐久性が低く普及しなかった。後述するや、アメリカの
森林鉄道でハンドメイドされた一部の車両がこの方式を採用している。
;摩擦式
: 動輪を上下2段に付け、上段の動輪をシリンダーで駆動し、下段の無動力の車輪を摩擦により間接的に駆動する方式。歯車比の理論を当てはめて考案されたもので、速度を上げる場合は上段を大きく、下段を小さくし、牽引力を上げる場合には上段を小さく、下段を大きくするという物であるが、実際には成果を上げず摩擦機構の問題も多かったため実用化しなかった。主な形式は
1876年ドイツのエルザス・ロートリンゲン鉄道向けに製造されたものであり、D7形451号「ファゾルト」という形式を与えられ
1906年まで在籍していた。上段と下段の車輪径の比率は1:3で、牽引力を重視したため最高時速はわずか時速10kmだった。後に似た方式をアメリカのホールマンとユージーン・フォンテインがそれぞれ考案している。
◇ エネルギー源による分類
;化学燃料(有機燃料)
:
石炭や
コークス、
重油などの
化石燃料、その他薪や
ガスなどの
炭素資源を燃焼させることにより熱エネルギーを発生させ、これによりボイラー内の水を沸騰させて
蒸気を得る方式である。蒸気機関車の殆んどがこの方式で、燃料には主に石炭、コークスが用いられる。旧国鉄の制式機では蒸気機関車時代の後期に補助重油タンクを装備し、勾配区間などパワーが必要な際に重油を投入したほか、
C59の127号機が重油のみを燃料とする重油専燃機であったことで知られている。海外では重油専燃機がある程度普及した。
タイなどの東南アジア各国では薪が多く使われた。変わった例としては、東南アジアの製糖工場で、砂糖の原料となる
サトウキビの絞りかす(
バガス)を機関車の燃料として用いた例が多くある。
;圧力の外部供給
: ボイラーを有さず、外部から熱水とともに高圧蒸気を供給し、それをタンク内に蓄圧してピストンを駆動する方式を
無火機関車と言う。一般的に蓄圧に2〜3時間以上を要するにもかかわらず、その走行可能距離は著しく短いが、火を使わず煤煙なども一切出さないため、火気厳禁の産業施設などで使用された。また、高圧蒸気と熱水の代わりに圧搾空気を用いた
圧搾空気機関車や、走行可能な距離が短いという欠点を改善するために、
アンモニアや
苛性ソーダなどの化学薬品を使用する車両も製作された。日本では無火機関車が1963年まで
八幡製鐵構内で数多く使われていた他、
浜川崎から分岐するシェル石油(現・
昭和シェル石油)の精油所引き込み線で1960年代まで使用されていたことが知られている。生まれながらの無火機関車ではないが、群馬県の「ホテルSL」(元・
SLホテル)や鳥取県の
若桜鉄道では静態保存されていた蒸気機関車をコンプレッサーを使って短い距離を走行させるというユニークな試みを行っている。海外でも観光用としての活動が伝えられており(
ドイツの
マンハイムの産業博物館など)、そのほか現在も
南米などで商業用として稼動している可能性がある。
;電力
・蒸気機関車 page1
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